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2024年12月22日

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問

9月18日から22日まで中国を訪問し、中国人民平和軍縮協会が主催した「国際和平日記念活動」という集会に参加しました。今回は平和友好祭に関連する取り組みではなく、原水禁の金子哲夫代表の通訳という名目で訪中する機会をいただきました。
以下が、今回の「国際和平日記念活動」への招待にあたり中国人民軍縮協会から届いたコンセプトメモの日本語訳です。

◆平和共存の世界建設に向けた未来共有の擁護
 中国人民平和軍縮協会は9月19日から21日にかけて、山東省人民政府とともに2024年国際平和デー記念集会を主催する。
 この100年間に見られなかったような急激な変革により、現在の国際情勢は変化と混とんのなかにある。地政学的状況はますます複雑化し、伝統的・非伝統的な複合的脅威に取り囲まれている。平和、安全、安定の後退が深刻である。このような危機と挑戦に直面し、地球上の人々は安全や利益を共有し、そして未来を共有している現実に気付きつつある。このなかで、平和、発展、協同を切望する声がかつてなく強まっている。
 今日の世界は、平和と戦争、繁栄と後退、連帯と対立をめぐる選択に直面している。私たちは時代の流れを見逃さず、歴史の趨勢をつかみ、平和と発展とウィンウィンの相互協力が必要である。そして、人類共同の利益に沿って決断しなければならない。変革と動乱の新たな時代に入っても世界に変わらず残されているのは人類の発展と進歩に向けた全体的な方向性であり、そして未来を共有し得る国際社会をめざす決意である。世界中の人々の平和、平穏、より良い生活への熱望は、私たちがともに努力すべき課題である。私たちは、紛争と対立を平和共存に、利己的な安全を共同の安全に、ゼロサムゲームを共同の利益に、そして文明の衝突を相互の学び合いと交流に置き換えなければならない。この目標に向け、私たちは2024年の国際平和デー記念集会のテーマとして「平和共存の世界建設に向けた未来共有の擁護」を選択した。平和の擁護、平和実現の意思統一、そして平和的文化の涵養に向け、国際社会がより大きな力を発揮することが期待される。そうすることが、世界の平和と発展に向けた積極的な活力につながる。2024年の記念活動は開会式典、閉会式典、そしてさまざまな平和支援活動を予定している。開会式典では基調演説を中国共産党の上級指導部から受け、諸外国から政治指導者を迎える。さらに世界中の安全保障研究団体、平和運動団体、政党から約150人の参加者を迎える。
 中国人民平和軍縮協会は記念集会を通じて平和に関わるすべての人々を歓迎する。平和共存、繁栄、平静に特徴づけられるより良い世界の建設のための力と共同の決意が集約される集会である。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
さて、事務局の中国訪問は5年ぶりですが、5年前は朝鮮に渡航する際のトランジットでの入国であり、往路で空港の近くのホテルに1泊しただけでした。上の写真はその際に訪れた北京空港の近くの場末の飲み屋さんでの一コマです。とにかく本場のチャーハンが海原〇山の「至高のメニュー」にリストアップされそうなくらい美味しかったことと、隣の席にいた地元の中国人のお兄さんと楽しく交流したことは覚えています。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
その前の訪中は2001年7月に平和友好祭実行委員会として取り組んだ「第10回侵略を記憶し、語り継ぐ平和の旅」でした。このときは平頂山や北疃村などを訪れて旧日本軍による住民虐殺など日本軍国主義による加害の事実についてまなびましたが、同時に日本や欧米の資本輸出により急速に発展する社会の様子も垣間見ることができました。新しいものと古いものが隣り合う街の様子が印象的でした。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
今回は23年間の中国の変化を確認することを個人的な課題としました。まず印象的だったのはビザの取得でした。今回の訪問は形式的には中国共産党対外連絡部の招待ですが、だからといってビザ取得に便宜がはかられるわけではないようです。申請書類への記入事項が多く、両親の誕生日の記入まで必須でした。ところが、事務局は家庭の事情で父親の誕生日を知らず、さらに親不孝のために母親の誕生日も失念しており、確認するのにひと手間かかりました。また、添付する写真も前髪や眼鏡の問題で何度か撮り直した結果、上のような髪の毛とメガネのない写真に落ち着きました。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
中国とは関係ないのですが、個人的にビザ取得で思い出すのは、20数年前に初めてインドに出張した際のことです。出発の前週の金曜日の午後に千鳥ヶ淵のインド大使館(↑)に行ったところ、窓口のお兄さんから「発給に3日かかる。土日があるので来週の水曜日になる」と英語で言われました。それでは搭乗予定の飛行機に間に合わないので「I must have it today!」とお願いしたら、「3時間後に来い」と言われたのでそのままパスポートを預け、夕方の業務時間終了直後に無事に発給と相成ったことがありました。それ以来、インド大使館に足を向けて寝ることができない日々を送っています。
ほかにも、政党からの招待状を持っていたことで領事館がきわめて迅速にビザを発給してくれたにも関わらず、東日本大震災の発生で出発がかなわなかったブラジルや、逆にスリランカ大使館では書類不備で追い返されたこともありました。

https://russia.co.jp/
2017年にロシアで開催された世界青年学生祭典の準備の際には、日本の平和友好祭実行委員会から参加する11人分のビザをロシア大使館まで出向いて自力手配しようと意気込んでいましたが、諸々の準備があまりに忙しすぎたため、結局は市ヶ谷駅からすぐの「ロシア旅行社」さんに出向いてお願いしました。プロの迅速な対応で無事に交流ビザを取得できました。みなさんも旧ソ連や東欧へのご旅行はぜひ上のリンクから「ロシア旅行社」をご利用ください。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
ビザの取得の次はインターネット接続の確保です。中国政府は「グレート・ファイアウォール(防火長城)」と呼ばれるインターネットの規制システムを構築しており、中国滞在中はVPNをかませないと国外のウェブサイトに接続できないとのことでした。2017年に世界青年学生祭典でロシアに行った際にインストールしてあったVPNはもう利用できなさそうな様子だったので、出発直前に急いでインターネットで探した「ExpressVPN」をインストールしました。一時利用で2000円かかりました(自腹)が、とても便利で助かりました。ただし、EU圏内を経由した接続の場合、YahooJapanが利用できないという落とし穴がありました。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
さて、みなさんにいろいろとお世話になったおかげで無事に手続きも終わり、9月18日の早朝に北京行きの飛行機に乗ることができました。
このブログで外国に行った報告をアップすると、「何を食べたのか報告しろ」という声がけっこう多いので、今回は小出しにしてみます。まず、上の写真は羽田から北京の機内で食べた機内食です。出発準備による睡眠不足で頭がボヤっとしたままで飛行機に乗ったため、ハッキリした味のメニューを食べようと思い、チキンカレーを選びました。北京まで約3時間のフライトでした。機内のWiFiではメールやSNSに接続できず、個別の端末での動画や音楽の視聴のみ可能でした。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
北京空港に着陸後は、「和平記念日活動」の参加者はボーディングブリッジ横の階段から別の出口に誘導され、そのままお車でVIPルームへ。
以前に日本国内である国会議員の方と飛行機での移動をご一緒した際、ボーディングブリッジのところまで迎えに来た車に同乗させていただいたことがありましたが、VIPルームなる施設には縁がありませんでした。上の写真は北京空港のVIPルームで待機中に出していただいたお茶です。本当に美味しいお茶でした。お茶が大好きな事務局としては毎日がぶ飲みしたいところです。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
VIPルームの廊下は上の写真のような感じです。利用には事前の申請が必要とのことです。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
北京空港を出発し、まず北京南駅までマイクロバスで移動しました。上の写真は高速道路沿いに見えた北京の街並みです。2008年の北京オリンピックに向けた準備の時期に建設されたビルには特徴的なデザインが多いそうです。確かに、シムシティで街が発展したときに出現するビルみたいな雰囲気ですね。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
今回は、北京南駅から上海虹橋駅まで続く京滬高速鉄道(京沪高速铁路)のうち、北京~済南を利用しました。車内でWiFiに接続できるかなと思ったのですが、うまくつながりませんでした。中国は全般的にインターネットへの接続環境が良くない印象でした。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
車窓から見えた光景です。
23年前に中国を訪れた際は、北京から瀋陽まで夜行列車に乗りました。歴史を感じさせる薄暗くてだだっ広いホームから旧式の客車に乗り込み、4人用のコンパートメントで同室になった仲間たちと中国製のビールを酌み交わした記憶があります。旅情あふれる夜行列車の旅は日本ではほぼ失われてしまいましたが、中国ではどうなのでしょうか。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
2時間弱の乗車で山東省の省都である済南市の済南西駅に到着しました。済南西駅の高速鉄道のターミナルはとても巨大です。まるで映画のセットのような感じでした。ホームからは巨大な集合住宅の一群が見え、いかにも社会主義国といった感じです。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
駅前から見た済南市の街の風景です。タワマンというより、巨大なアパートが建ち並んでいます。どうしてもシムシティで作った街をイメージしてしまいます。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
人口が900万人を超す済南市の全体を見ることができたわけではありませんが、交通に配慮した道路の配置や歩道など効率的に整備されている印象でした。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
ちょっと古い感じの地域も残っていました。看板には「洗車」と書かれてありました。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
済南市のオリンピック・スポーツセンター・スタジアムです。中国スーパーリーグの強豪である山東泰山のホームスタジアムです。


この後日(10月22日)ではありますが、このスタジアムでAFCチャンピオンズリーグエリートで横浜・Fマリノスと山東泰山が対戦していました。この試合のハイライト動画をぜひご覧ください。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
済南での宿泊ホテルに到着し、歓迎夕食会が行われました。
本当に美味しいコース料理をいただきましたが、貧乏人の事務局は気が引けて写真を撮るのを遠慮してしまいました。
歓迎晩餐会であいさつに立ったのは以下の人々でした。
①中国人民軍縮協会顧問・中国共産党対外連絡部前副代表
②山東省副知事
③南アフリカ共産党国際関係部長及び南アフリカ平和委員会代表
上記のうち南アフリカ平和委員会の代表の発言では、70年前に周恩来首相が提起した「主権と領土保全の相互尊重、相互不可侵、内政への相互不干渉、平等互恵、平和共存」の平和共存5原則に言及があり、中国がこの原則にもとづいてインドとともに「グローバル・サウス」のリーダーの役割を担い、各国との関係を強めていることへの共感が語られていました。日本の商業マスコミが扇動する「米中対立」という図式がきわめて一面的な見方でしかない現実に触れることができたのは極めて大きな成果でした。
また、事務局がこれまで世界民青連の会議で長く付き合ってきた同志がチェコ、インド、ネパールから出席していました。青年として果たす任務を卒業した後に「大人の世界」で再開し、また一緒に活動できるのは本当にうれしいことです。他方、ベトナムからの参加者にも民青連時代の仲間の名前がありましたが、会場では見かけませんでした。ベトナムと韓国からの参加者は「別行動」という説明でしたが、ひょっとしたら今回の「記念日活動」の基調や内容への意見留保があったのかも知れません。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
さて、2日目の朝が来ました。ちょっとだけホテルの周囲にお散歩に出かけることにしました。
上が済南市で泊まったホテルの外観です。大きな会議場や食事会場が付設されており、「山東大厦」という名称にふさわしい立派な施設でした。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
ホテルの周辺の街の様子です。早朝の通勤ラッシュの時間帯でした。自転車と歩行者の通路が分離されていました。
事務局が小さい頃に日本のテレビに映し出される中国は自転車がたくさん走っている国というイメージでした。23年前もまだその雰囲気が感じられましたが、今は二輪車や自動車が増え、むしろ自転車は少数派のようです。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
さて、この日の午前中に「国際和平記念日活動」の開会集会が開催されました。事務局も会場前で記念撮影させてもらいました。
集会を主催する中国人民平和軍縮協会は民間団体ということになっていますが、集会の冒頭にあいさつしたのは中国政府のナンバー2である韓正副主席でした。来賓ではなく、主催者あいさつ的な役割での登壇でした。中国訪問中に気付いたのは、日本と中国では「政府」「官」と「民間」の線引きが大きく違うのだということです。
以下が開会式での発言と討論の概要です。

◆中国・韓正副主席
世界は新たな動揺期に入り、予期できない要因が多く発生している。中国は世界の安全・発展のイニシアチブに責任がある。平和共存という国是を前提に当面の国際情勢を前提に国連安保理ではグローバルサウスの代表として平和を維持する責任を果たす。①共同の歴史を踏まえ人道と世界の幸福を追求、②平和は発展の前提であり、共同発展という理念の下にグローバルサウスの発展を保障する、③平和共存を堅持。70年前の平和共存5原則は国際法の基本理念。各国の領土保全を尊重、対話を通して国家間の紛争を解決する、④交流と相互尊重にもとづく平等な対話、各国の政治・経済をめぐる多様性を尊重し、各国の人民の友好を進める、⑤中国式現代化は世界の平和の条件である

◆南アフリカ・モトランテ元大統領
NPTの5年ごとの再検討会議は各国の平和に向けた知見の交流の機会になっている。

◆コロンビア・サンペール元大統領
欧米諸国の威嚇的な制裁は人道危機をもたらしている。西側の不平等な経済モデルに対し、合理的な人類の生存のしくみを。ウクライナへの爆撃は止められるべきであり、さらにイデオロギーの対立も抑止されるべき。中国はグローバルサウスのリーダーとして国家間の平和共存を追求している。

◆スイス・マウラー元大統領
小国は国際法を頼りに生存をはかるしかない。大国は力を頼りにしている。国際秩序は強権の上にあってはならない。効率的で透明な国際的軍備管理が必要。

◆中国人民平和軍縮協会・馬会長
覇権主義は平和と安定を破壊する。冷戦思考や陣営対立を克服し、対話や協商を通じて平和の実現を。とりわけ難民がもとの生活に戻れるようにすることが課題。豊かである人々と貧しい人々の固定化が進むなかで安全保障概念を乱用してはならない。軍縮協会は相互尊重の原則の下で文明交流の促進者になる。世界は単一の文明で支配されるのではなく、文明、自由、平和という共通の価値観をもとに世界人民の願いである平和共存、共同の繁栄を追求する。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
会議には、中国語(普通話)、英語、ロシア語、スペイン語、ラオス語、日本語の同時通訳が入っていました。今回、私たち日本からの参加者の通訳や案内を担当してくださった鐘さんは、お父さんのお仕事の都合で中学生の頃に東京で暮らしていたとのことで、とても自然で分かりやすい日本語で話してくれました。実は、事務局は英語で自分の用を足すのは何とかできても、会議の通訳となるとまるで自信がなかったため、鐘さんの日本語の能力に本当に助けられました。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
鐘さんは現代の中国についてもいろいろと教えてくれました。上がその一つです。中国にもウーバーと同様のサービスがあり、スマホのアプリ上でほしい商品を入力すると、それを受けた人が商店などで購入し、自宅やホテルに届けてくれます。受け取りの際には、スマホでバーコードを読み取ると当該の商品が入ったボックスの扉が開くようになっています。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
さて、一部のみなさんのご希望に応えてこの日の昼食です。
ホテル内のレストランでのブッフェでしたので、とりあえず美味しそうに見えたメニューをお皿に並べました。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
昼食後の休憩時間の間にいったん部屋に戻り、少し事務作業を行いました。とても快適な部屋でした。部屋のWiFiを利用して日本にいくつかメールを送信しました。
下が部屋の窓から見えた景色です。済南市は総人口900万人の大都会ですが、建物がゆったり配置されているので、窮屈な雰囲気がありません。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
午後はホテル内の別会場のホールで「運命を共にし、平和をともに守る」というテーマでコンサートが行われました。
歌やダンスを織り交ぜつつ、中国の国際貢献や各国の平和運動からのメッセージを紹介する形式でした。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
日本の原水禁国民会議の谷事務局長のメッセージも紹介されました。東アジアの平和の実現のために市民の連帯の重要性を訴える内容でした。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
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「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
アジア、アフリカ、ラテンアメリカの農業の発展への中国の貢献についての報告が続きました。以前は日本からも多くの青年たちが海外青年協力隊をはじめさまざまなボランティアで世界中に飛び出していたことを思い出しました。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
青年たちによる「We Are The World」の合唱です。世界中の国々から参加者が集うイベントにふさわしい素晴らしいパフォーマンスでした。


ごく一部ですが、動画でコンサートの様子をご覧ください。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
これは済南市雑技団の演舞です。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
中国の各民族の伝統的衣装の紹介もありました。感動的なステージでした。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
さてこの日の晩ごはんです。チキンカレーがあったので、カレー好きの事務局は飛びつかざるをえませんでした。小麦粉を入れない水っぽいカレーでしたが、とても美味しかったです。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
夕食の後、チェックアウトして次の宿泊地である濰坊市に向けて出発しました。出発する各国の代表を山東大廈で働く労働者のみなさんが手を振って見送ってくれました。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
これが済南市と濰坊市の位置関係です。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
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途中で2回ほどサービスエリアに立ち寄りつつ高速道路で3時間の道のりでした。
スマホで撮影したので分かりにくいですが、バスの車窓から月が見えました。この日の月齢は17日でまだまだ丸く、「三笠の山に出し月かも」という気分になりました。


移動中の事務局のBGMはFayeWongの「夢中人」です。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
濰坊市に到着しました。宿泊先は富華大酒店でした。昼間の会議と長躯の移動でさすがに疲れたので、到着後は部屋でゆっくり休みました。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
さて9月20日の朝がやってきました。さっそく朝食の写真です。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
これらは巨大な高層住宅が立ち並ぶ濰坊市の光景です。濰坊市は総人口930万人、市区人口は250万人の大都会です。巨大な高層住宅が何十棟も建ち並ぶような街づくりには、国家による計画・動員・指導が不可欠なのだろうと思いました。
そもそも山東省だけで1億人以上が暮らしているそうです。気が遠くなるような人口であるとともに、中国全土の14億人のうち1億人が暮らす山東省の位置づけの大きさを感じます。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
午前中は2つの企業を視察しました。
まずは、エンジンメーカーの「WEICHAI(潍柴)」グループの工場に行きました。70年以上の歴史を持つ国有企業で、ドイツ資本の協力下で自動車エンジンを製造しています。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
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「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
製造ラインは撮影不可でしたが、広報用の展示施設で会社の歴史や近年の業績について知ることができました。会社の設立、発展、自力更生、そして中国経済をけん引する役割を担うまでになる歴史を興味深くまなびました。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
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続いて、ソニーが技術協力している「ゴアテック(歌爾)」という企業を訪問しました。こちらは設立から25年ほどの比較的新しい会社です。主にビデオゲームのコントローラー、音響機器などを生産しています。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
続いてバスは郊外にひた走り、経済開発区にある大規模な農場の見学に来ました。ここではさまざまな作物が工場で生産されています。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
経済開発区内の「前闕庄村」という農場です。以前の集団農場が会社組織に再編され、農民の多くが投資による利益で収入を得るようになっているとのことでした。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
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これが前闕庄村の集落の様子です。農業の現代化のモデルのようなイメージでしょうか。共産党による指導下での発展という位置づけのようです。少しだけですが、住んでいる方の住宅内も拝見しました。とても清潔な住居でした。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
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濰坊市の農産物から作られたさまざまな商品のサンプルが展示されていました。ちなみに、「花卉」は中国語でも「花卉」でした。このあたりの言葉の成り立ちや共有はとても興味深いですね。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
前闕庄村の広場に設置された会場で、「グローバル発展イニシアチブ」に関する討論が行われました。椅子のみの会場なので、発言のメモが取れていませんが、中国が都市部と農村部の格差を克服し、貧困を撲滅したことが強調されていたのが印象的でした。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
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濰坊市の市街地に戻り、凧博物館を見学しました。濰坊市は良い風に恵まれており、凧あげの伝統があるそうです。古の頃には、合戦の際に大きな凧に人を乗せて攻撃したのだとか。上から二番めの写真は展示されていた木製の凧です。かなり重そうですが、風が強ければ上がるのでしょうか。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
これは濰坊市内にある、日本による占領中に西洋人の強制収容所となっていた建物です。アメリカ人、イギリス人、カナダ人、オーストラリア人などが収容されていたとのことです。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
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「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
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建物内には収容所時代の展示があります。日本軍国主義による侵略の歴史と加害の事実をしっかりまなばなければなりません。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
かつての収容所の様子がジオラマになっていました。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
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日本帝国主義の敗北の後に解放された人々、そして勝利を勝ち取った記念写真が展示されていました。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/china/nc_seimei.html
上は1972年の「日中共同声明」のリンクです。
声明には「日本側は、過去において日本国が戦争を通じて中国国民に重大な損害を与えたことについての責任を痛感し、深く反省する」と記されています。そして、「中華人民共和国政府は、中日両国国民の友好のために、日本国に対する戦争賠償の請求を放棄することを宣言する」ともあります。日中の友好の前進は日本が加害の歴史をしっかりと踏まえることなしにはあり得ません。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
収容所での見学を踏まえ、「グローバル安全保障イニシアチブ」の議論が行われました。雨が降るなかでしたが、中国国際問題研究院、イスラマバード戦略研究所、エチオピア外国問題研究所、国連、濰坊市から発言がありました。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
日本からは「村山首相談話を継承し発展させる会」の藤田理事長が発言しました。「社会新報」10月24日付号から藤田理事長の発言要旨を引用します。
「私たちは宇宙船地球号に暮らしている。その国家間の関係を考える時に、一つの帝国が永遠に世界を支配できるものではない。米国が永遠の帝国を夢見て、自分を追い越そうとする可能性のある国に対して徹底的に軍事的・政治的・経済的に威圧とどう喝をかけてその国の発展を妨害しようとする、そんな行動に正当性があるのか。宇宙船地球号の行動倫理は、自分の国も発展し、他の国も発展し、ともに栄えて、ウイン・ウインで平和共存の世界をつくっていこうということだ。日本政府は、米国の言いなりに、米国と一緒に、中国や北朝鮮に対して戦争を行う態勢を整えるため、沖縄の多くの島々にミサイル基地の建設を強行している。今や日本にとって世界最大の貿易相手国となった中国を仮想的に仕立て上げ、中国を標的とするミサイル基地を建設し、緊張を高めて、なんの利益があるのか。米国の言いなりに反中国包囲網に突き進むのではなく、中国とは一衣帯水の隣国としての本来の正常な友好関係を取り戻すことが、アジアの平和と発展、そして日本の国益のために必要だ」

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
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会議が終わり、雨が降り続くなかをホテルに戻りました。濰坊市は大都会ですが、社会主義体制下で広告が少ないためか、夜の街はけっこう暗い印象でした。夕食時に藤田理事長におおぜいの人が話しかけていました。会議でのスピーチに感銘を受けた人が多かったようです。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
21日は朝食後にバスに乗って濰坊市から青州市に移動しました。沿道に風力発電用の風車が多く見られました。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
各国からの参加者たちを乗せたマイクロバスの列が続いています。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
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車窓から見えた工場や農場の様子です。青州市は農業が盛んな地域との説明でした。

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青州市は春秋戦国時代には南燕の首都だったそうです。会議の前に青州古城の街並みを見学する機会がありました。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
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「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
メインストリートは観光地となっており(中国政府によって5A級観光地に指定されている)、たくさんのお店が建ち並んでいます。有名な史跡でると同時に実際に人々が住んでいる場所でもあり、とても活気がありました。いつかまた訪れて、ゆっくり散歩してみたいものです。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
バスで青州博物館に来ました。新しく立派な建物でした。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
上の写真は博物館内の男子トイレの表示です。日本では男子トイレを示す表示の人型のシルエットは青い色で塗られている場合が多いですが、ここでは赤で塗られていたため、視力が悪い事務局は近寄って「男」という文字を確認するまでは男子トイレであることが分かりませんでした。そもそも中国では男性と女性の色による区別はないようです。色による性別のシンボライズには批判や異論があるとは思いますが、事務局的には色で判別できる方が助かるなと感じました。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
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「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
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館内には青州の歴史と文化を示す展示が並んでいます。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
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日本軍の占領時代の展示も重要です。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
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最上階には多くの仏像も展示されていました。下は「東洋のビーナス」と呼ばれているそうです。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
展示の見学の後、館内のロビーで「グローバル文明イニシアチブ」の議論と、「国際和平日記念活動」の閉幕式が開催されました。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
閉幕式の後、日本からの参加者と中国共産党対外連絡部との意見交換が行われました。「国際和平日記念活動」の感想、中国滞在の間の印象、今後の交流の発展に向けた課題や見通しについて率直に議論しました。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
さて、高速鉄道で青州市から北京に戻ります。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
たくさんの人が大きな荷物を持って列車に乗り込み、自分の席はどこかと探して車内が混乱していると、列車長さん(右の女性)が現れて乗客に厳しく指示を飛ばしてさばいていました。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
北京南駅から済南駅までは途中停車がありませんでしたが、帰路の青州駅から北京南駅までは各駅停車で、高速鉄道でも約3時間かかりました。広大な中国の夕景が楽しめました。たくさんの風力発電の風車が中国の光景に溶け込んでいました。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
各駅停車とは言っても、各駅間の距離が日本よりも圧倒的に長いので、時速305キロメートルでの高速運転です。高速鉄道の最高時速は時速360キロメートルだそうです。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
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無事に北京南駅に到着しました。空港みたいな雰囲気のターミナルですね。ちなみに駅への入場時には荷物検査があります。

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中国滞在の最後の夜は市内にある中国共産党が所有する万壽賓館という宿泊施設に泊まりました。上がこの日の晩ごはんです。ブッフェ形式なので、美味しそうに見えるメニューばかり取りました。

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とても立派なロビーです。ジムやプールも併設されているそうですが、このときは改装中で利用できませんでした。

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部屋には習近平主席の著作が置かれていました。

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22日はついに日本に帰国する日です。飛行機は夕方なので、市内にある頤和園という有名な公園に観光に来ました。入場門前には全中国から訪れた人たちで大混雑していました。入場するのもひと苦労でした。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
これは光緒帝が幽閉された建物だったかな? 受けた説明を忘れてしまいました。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
西太后が住んでいた住居とのことです。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
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頤和園は297ヘクタールもある広大な庭園です。中国の歴代王朝が整備を重ね、現在の大きさになったとのことでした。中央に巨大な湖が造成されており、美しい風景を眺めながら船遊びが楽しめます。ユネスコの世界遺産にも登録されています。

「国際和平日記念活動」で中国・山東省を訪問
北京空港から羽田に向けて出発です。5日間の滞在で同行してくださったみなさんともいろいろと意見交換ができ、とても刺激になりました。
移動中のバスの車窓から見た光景を動画サイトに投稿したので、下に張り付けておきます。2024年の中国の雰囲気を少しでも楽しんでいただけたらと思います。


たしか済南市→濰坊市(夕方)→青洲市→青州古城→頤和園だったと思います!

5日間の短い(しかし内容の濃い)滞在で、ありきたりな言い方をすれば、「普通の観光」ではできない経験が得られました。
斜陽の日本を追い抜きいまや世界第2位の経済大国となった中国の発展はもちろん目覚ましいのですが、日本でその発展が一面的に過大評価されている側面があるように感じました(中国脅威論と中国礼賛とは表裏一体の関係にある)。他方で昔のままのイメージで「遅れた国」という中国観をぬぐい切れない日本人も少なくありません。イメージと現実のギャップを埋めるには、多くの人が「訪れる」ことが必要です。

ところが、今回の訪問で通訳を務めてくださった鐘さんによれば、中国を「危険で怖い国」だと思い込み、旅行や訪問を敬遠する日本人が多いとのことでした。これもありきたりな言い方ですが、「国家と国家の関係はいろいろあっても、個人と個人は仲良くできる」といった素朴な人間観さえもが通用しない時代になっているということでしょうか。
今回の中国滞在中に深圳の日本人学校に通う子どもが殺害される事件が発生しました。事件の背景として「反日感情」を指摘する人がいますが、事務局にはその指摘の妥当性は分かりません。ただ、殺害されたお子さんは日本と中国の両方にルーツを持っていたそうです。国と国、あるいは民族と民族の関係が不調に陥ったとき、その狭間に立つ人々が心身への不当かつ理不尽な負担や犠牲を強いられる現実があります。
日中関係や日本の戦後補償に詳しい弁護士の内田雅敏さんは現在の日中関係を「敵対的相互依存関係」と表現しています。民衆までもが敵対関係に陥る事態を避けなければ、私たちが戦争を止める力を持つことができません。

2008年の「<戦略的互恵関係>の包括的推進に関する日中共同声明」では「双方は、互いに協力のパートナーであり、互いに脅威とならないことを確認」した上で、「日本側は、中国の改革開放以来の発展が日本を含む国際社会に大きな好機をもたらしていることを積極的に評価し、恒久の平和と共同の繁栄をもたらす世界の構築に貢献していくとの中国の決意に対する支持を表明した。中国側は、日本が、戦後60年余り、平和国家としての歩みを堅持し、平和的手段により世界の平和と安定に貢献してきていることを積極的に評価した」と述べられています。2008年の日中共同宣言に表現されている理念は、今回の「和平日記念活動」の呼びかけや基調にも共通しているように思います。
内田雅敏さんは、「戦争体験者である田中首相と大平外相には、戦争体験者として中国に対する贖罪意識とリスペクトがあった」とも指摘しています。いま、戦争を体験した政治家が与党にも野党にもいなくなるなかで、中国との友好関係をどう築くのかが私たちに課せられた重要な課題です。


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Posted by 平和友好祭 at 21:59│Comments(0)政治問題国際連帯
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