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2024年04月23日

映画「戦雲 いくさふむ」(三上智恵監督)を鑑賞

三上智恵監督の「戦雲(いくさふむ)」を観に行きました。JR大塚駅から徒歩7分ほどの「シネマハウス大塚」という小さいけど素敵な映画館です。

映画「戦雲 いくさふむ」(三上智恵監督)を鑑賞
三上監督はこれまで、「戦場ぬ止み(いくさばぬとぅどぅみ)」(2015年)、「標的の島 風(かじ)かたか」(2017年)、「沖縄スパイ戦史」(2018年)などの作品を世に送り出しています。



映画「戦雲 いくさふむ」(三上智恵監督)を鑑賞
「戦雲(いくさふむ)」では、与那国、石垣、宮古、沖縄の勝連半島で進められる自衛隊の配備、そしていったん受け入れると地域との合意などないまま崩しで進められる基地機能の強化の現実が映し出されています。
自衛隊などなくても生きていける島々を蹂躙する自衛隊、その自衛隊さえ日々の生活に包摂する地域の人々、そして自衛隊に粘り強く抵抗する人々の姿は、涙なしには見られない映像の数々でした。
山里節子さんをはじめこの映画に登場する与那国、石垣、宮古、沖縄の人々が、ときにやさしく、ときに厳しく語りかける言葉は自衛隊員たちにどのように届いているのか。いや、そもそもこの日本社会や政治に届いているのか…。届くことを信じて語りを続ける人々の姿、そして届かずとも語らずにはいられない人々の姿が映し出されるスクリーンを正視し続けるのは困難でした。

それは、琉球弧の島々の現実から目をそらしたいということではありません。昨年5月の「第29回被戦地オキナワ青年の旅」で、「いろいろなことをよく知っていますね」と声をかけてくださったバスの運転手さん(もと空自隊員)に、事務局は「今の社会に僕のやっていること、言っていることがそのまま通じるとは思っていません。むしろ滑稽に映るかも知れない。僕はピエロのようなものですよ」と答えました。届かずとも語らずにはいられない…「戦雲」でスクリーンに映し出される人々の抵抗に強く共感するからこそ、正視が難しい映像の数々でした。運転手さんには、「ピエロなんてとんでもない、とても素晴らしい取り組みですよ」とあたたかい励ましをいただき、救われたような気分でした。
映画の終盤には、「対中国」の要塞化が進む与那国の人々の不安に対して自衛官が「沖縄戦のこともある、私たちは住民を決して見捨てない」と伝えていました。事務局は、「見捨てない」という住民に向けた決意表明と、自衛隊という組織における命令とが矛盾するとき、この自衛隊員はどうするのだろうか、という疑問を持ちました。
そして、自衛隊の基地が作られた後、「これからは撤去のたたかいだ」という声がありました。明確な行動提起をしっかりと受け止めたいと思います。

以下が映画の公式サイトです。シネマハウス大塚での上映は終わりましたが、全国各地で上映が続きます。三上智恵監督によるトークも予定されています。多くの人々が映画館に足を運ぶことを期待します。
https://ikusafumu.jp/


トレーラーもぜひごらんください。


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